平成15年2月7日、ログハウスの夢を20年追い続けた、森さんから電話を頂きました。
「モデルプランに幾らか手を加えた見積りが、明日、有名大手メーカーから届きます。台風対策などの施工が心配と、妻がインターネットで探しました。」と、施工のご相談を受けました。
長年の夢が叶うにしては少し疲れたような元気のないお声。お仕着せの設備機器にもご不満と思われる奥様のご様子。11月末に完成させるにはカナダの予約を今取らないと順番待ち状態で間に合いませんと、契約を迫る営業マン。
「もうどうにでもなれ」状態と、お見受けしました。
丸太も設備機器も同じ条件で、相見積りということになりましたが、丸太にも加工の質にも自信がありましたので、「キットに関しては私の方が高いはずです。施工も入れると安くなるかも知れません。」とスタート。
見積りの結果には、私自身少し驚きましたが、営業経費がたっぷりと上乗せされたキットより、はるかに安いキット見積りとなりました。
ほとんど携帯メールやファクスでやり取りしながら、20年の想いを込めた施主設計プランに、全て奥様自身が選択された設備機器(キッチンはオーダーメイド)をフル装備して、キットの契約に至ったのは、4月25日。カナダで丸太の加工が始まりました。
はじめて森さんにお会いしたのは、地鎮祭・施工契約の前々日、5月16日。ご家族で帰省され、施工契約の詳細を弊社事務所で読み合わせ致しました。
3ヶ月間毎日のキャッチボールで、初めてお会いした感じがしません。
7月1日、仮設の電気・水道工事から着工し、完成は10月中旬の予定です。
住宅の質の程度や住み心地は、想いを注ぎ込んだプランニングで3割、誠実な施工の上に加わる工夫やアイデアで3割、ログハウスという丸太の器から生命力のあるログホームとなるにはさらに、ご家族の住み始めてからの知恵や愛情など諸々が4割加わって、ようやく完成となるように思います。
そういった意味では、どのような住宅になるのかは、これからです。
森さんご一家の、夢の実現の一端を、ご紹介してまいります。

都農町役場まで歩いて数分。役場から北東の方角に直線距離200m。
南に延びる町道の右手が、建築場所です。手前側は行き止まりになり、児童公園があります。
数年前に造成され、三方を道路に囲まれた申し分のない土地。
西には牧水ゆかりの尾鈴山。北西の中腹に都農ワイナリーが見えます。
閑静な住宅街の一角で、周りも築数年の真新しい住宅がほとんど。建築中にご迷惑を掛けないようにと思います。 道路から約50pの盛り土。
台風対策にはある程度垣根で囲う必要がありそうです。
北隣りの住宅の先が児童公園。
小川の向こうには田園風景が広がっています。
東の方角。1q先には太平洋。錆びる可能性のある金属類は一切使わない約束です。

スウェーデン式サウンディング試験による地質調査。
造成時に盛った約1mの砂質土の下に、同じ厚さの粘性土があり、表層・支持層ともにほぼ均一な数値が確認され、地盤改良の必要も無く、一安心。

5月18日、心配された雨があがり、地鎮祭が執り行われました。
都農神社からお二人の宮司がおみえになり、祝詞奏上やお祓いを受け、敷地が清められ、建築工事の無事をお祈り頂きました。
左は施主による「刈り初めの儀」。右は棟梁による「うがち初めの儀」。
5人の大工さんや各専門業者さんの連携と協力により、図面を元にして更に知恵と工夫が注入され、施主ご一家のご希望以上の住宅が、事故も無く立派に完成することを願うばかりです。
玉串奉奠をされる森さんご夫妻とご両親。
公務員のお二人は、ご両親のお仕事の後継者として、この場所で新たなスタートをきられます。事業の発展継続とご家族の幸せを包み込む、あったかなログハウスとなりますように!
お供えしてお祓いをうけた御神酒・お米・お塩を、敷地の角々に祭られた御幣の周りに撒きます。
永き夢がこの場所に結実し、ご家族の生活と健康を守り続ける素敵なログハウスが、見事に完成する日を楽しみにしながら・・・。

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▼森さんちCONTENTS
7月7日
四方風景 地質調査 地鎮祭 1階戸・窓 屋根 床板
カナダでの加工写真 2階の壁・収納・フリースペース
基礎工事 浴室 板金・コーキング 手摺り
コンテナからの荷降ろし クローゼット 和室 キッチン
いよいよ組み建て キッチン  炉台  デッキ
壁が組まれて二階まで ついに完成!
棟が上がって盛大な餅撒き 新たな生活のご様子
屋根 2階窓 2階床と1階天井 完成後のお住まいのご様子
板金 2階トイレと外壁 玄関