無事完成! とは言いながらも、小さな手直しなどが必ず出てきます。
こうした方が使いやすいな〜とか、新たに購入する家具の都合でこうして欲しい・・・などなど、少しでも見栄えを良く、そして住み心地が良くなる工夫はきりなくあります。またこの段になって造作ミスを見つける事もあります。
仕上げに磨きを掛ける事も必要です。
大小様々な手直しや追加の造作は、各間仕切りごとに細かくチェックしていくと、合計45にものぼりました。
大工さん二人が二日、そして設備屋さんと電気屋さんも入り、ほぼ手直し等が完了。残り8個所は、1月27日の引越しの後になります。
生活を始めてから気付かれる不都合も当然出てきますし、3年間続ける半年ごとの点検でも、またその後の一年ごとの点検でも、手直しすべき箇所が出てくる事もあります。
完成後何年も経ってから、間仕切り壁を取り除いたり追加したり、あちこちに大きく手を加える事も、ログハウスの場合珍しく有りません。
住む人と共に成長変化していくのが、ログハウスの大きな特性と言えます。

出来立ての家は単なる器、箱でしかありません。その中に様々な設備機器や家具や調度品を収めて、初めて人の暮らせる住宅になります。
中でも照明機器は、住まいをも素敵に引き立たせ、住む人を豊かに包み込んでくれます。
ショールームやインターネットやカタログの中から、苦心されて選び抜かれた、個性的な照明の数々をご覧下さい。
外部には防塩対策として、船具照明が多く使われています。屋内でも、ロフトや階段横で異彩を放っています。
屋外7個、屋内36個、合計43個の照明が、これから木幡家を温かく照らしてくれることと思います。
二階の北西空間、ロフトにあるミニキッチンのカウンターからは、大きなFIX窓を通して進入道路や国道を走る車が見えます(左)。
45°に傾斜するロフトの屋根天井。デッドスペースを利用して、玄関ホールの上には1.75×1.8m(照明付)、キッチン後ろには2.75×1.2mの広さの、三角形の収納が出来ました(右)。
ロフトには小型冷蔵庫とIHクッキングヒーターが付いた来客用ミニキッチン(上)。カウンターのまえに予定の、高めの回転椅子に座ると、前の天窓から星空が見える算段です(下)。どうも、バーカウンターになりそうな予感がします。
来客にお使い頂くべく、ロフトにもユニークな洗面台が用意されました。鏡と小型のガラステーブルが壁に付く予定ですが、鏡が少し大き過ぎたので照明を上に移動する必要があります(上)。
最初の図面では、ロフトの上部空間に隠れ家風「書斎」設置のプランでした。何回か図面変更する中で無くなりましたが、確かにこの上の大きな空間は面白い使い方が可能です。今回はトイレの上にミニ空間を設け、ドアを付けました。どのように使われるかはこれからのお楽しみ(下右)。
二階北東に位置する和室。ピークドーマーで空間を広げて、北側の内海港方面も見渡せる窓が付いています。海側バルコニーへは大きなフレンチドアから出入りし、テーブルと椅子が置けるように、約1m幅の板間にしてあります。
二階南東の洋室。海側にドアと二つの窓、南側には三連窓。下のリビングから煙突が貫通しています。シェットドーマーで上の空間も大きく広がり、家の大切な構造躯体の母屋二本が、強固に緊結されて大切な空間を形造っています。
二階南西の和室。こちらは入口側に板敷を設け、下に有用な空間を残し、上の母屋二本から大型の吊り収納が下がっています。シェットドーマーの高い天井で空間が少し狭く感じられますが、南西の窓からの景色も良く、おもしろい和室になっています。
設備機器で間違いが続きました。前に人が立つと、カバーと便座の二枚が自動で立ち上がるタイプをお願いしていましたが、カバーは動けど便座はリモコンボタンを押さなければ上がりません。安くわけて頂いた設備機器の卸屋さんには気の毒ながら、二階のトイレと共に取り替えてもらいました。
一階北西、玄関ホール空間の一部となった階段。その下には、照明付きの収納が出来て、日常よく使う物のほとんどが置けると思います(左)。
食洗器、ゴミ処理器、清水器やIHクッキングヒーターなどフル装備のシステムキッチン。自動で上下する食器収納器やレンジフードは、セトリングの関係で天井から吊しています(右)。
一階南東に位置する広々としたリビングには、自作の炉台の上に薪ストーブ。東側フレンチドアと南側掃き出し窓はどちらも特大サイズで、居ながらにして外の景色を眺められます。囲むように外側には幅2mのテラスが広がり、ドアを開けばリビングの延長空間となっています。
リビング西側には、25cmの段差をつけて、囲炉裏を掘り込んだ和室。大型の押し入れと床の間、その横には三枚の引き戸が収納されています。取り外しの出来る囲炉裏と床の間には、施主の手によって柿渋が塗られる予定です。
数ある手直しやミスの中の幾つか。
欧州から一緒に輸入した、無垢材のドアや木製ペアガラス窓は、頑丈で機能性も高く、しかもその割に値段が安いので大変良いのですが、細かな部分ではアバウトなところもあります。戸当たりのゴムがしっかり接着してありません(上左)。
前回ご紹介した洗面所のトールキャビネットは、ドアが付け替えられて、注文通りの色に統一されています(上右)。
二階洋室に付けられたインターホン受話器。最初右側でしたが、置く棚の関係で左に移動しました。穴は専用カバーで塞がれ棚の後ろに隠れます(下左)。
想定した物と届いた物の、大きさやデザインが違うことは珍しくありません。取り替えるも良し、現場で工夫するも良し。この鏡はこれより小さな物が無い為、照明を移動して取り付けます(下右)。
キッチン二ヶ所の前面と横に、耐熱防水パネルが張られました。一階(左)は、セトリング対策に少し工夫がしてあります。
二ヶ月余りの施工期間中には、場所にもよりますが、ログにキズが付いたり汚れたりする事もあります。無垢木の良さは、洗ったりサンダーを掛ければほとんど元の色に帰る事ですが、極力ログはきれいに保ち続けたいものです(左)。
一階リビングでストーブを焚かない季節には、二階床下の風穴鎧戸は不要。それを塞ぐ置き板をつけたところです(右)。
2×5.2mのバルコニーは大形の屋根からもはみ出します。地面から1m以上の高さにある、L字の広々としたテラスにも手摺りが付きました(上)。
玄関を含めて三箇所の階段は、なるべく傾斜を緩やかにし、幅を広く取りました。コンクリートのベースで防腐防蟻剤加圧注入材の階段を支えます(下)。
玄関横と二箇所設置した足洗い場には、特注の水栓柱が立つ予定です(下左)。

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▼木幡さんちCONTENTS
四方 排水路 配置決め 地質調査 屋根組みと金物取付
倉庫基礎造り 倉庫設置 草刈り 戸窓の設置と屋根
地鎮祭  いよいよスタート 外部内部の造作
フィンランドでの加工風景 最終段階の造作
基礎工事まで
3月17日
ようやく完成
コンテナ到着  荷下ろし 完成後の生活
ログ組み建て 完成後の変化
小屋組み・棟上げと垂木架け