好天に恵まれる事が、どれほど幸運か! いつも思います。
四日間で、ログの組み上げから棟上げ・垂木架けまで進みました。日南海岸国定公園の中央部、景観抜群の海岸沿いに建てています。
それだけに、台風の時は暴風雨をまともに受ける、脅威の場所でもあります。
頑丈なログ組みの上に、二階部分を建ち上げていますが、さらなる強度と防水が大きな課題です。
南側の二階には洋室と和室が並びます。
居室空間を広く取る為に、棟木から四寸勾配の屋根を架け、南側には2.3mの壁を立ち上げます。壁上の桁と棟木の間に二本の母屋を渡し、四本の横木の上に垂木が架かっています
棟木の上で南北の垂木を緊結しています。
長方形のプレートはビス留めし、反対側の細長い短冊金物はボルトナットでつなぎました。
垂木と棟木・母屋は、L形金物を垂木両側から挟み込んで固定しています。

南側一階のひさしは短い物ですが、支持点が一個所しか有りませんので強力に固定する必要が有ります。垂木上端を上下から挟み、この後更に、ログと垂木の間に三角材を入れ、同様にログの頬杖で保持する予定です(上)。
25cm高い一階和室の中央には囲炉裏基礎がブルーシートにくるまれています。ここだけはまだ仮の床下です(左)。
家の建築に関わる全てを施主が決め、さらにそれらの細部までを確認するのも施主の役目です。
この日は屋根に上がって、構造と金物取付を確認して頂きました。
地上8.5mの高さから見渡す太平洋は、水平線が丸く感じられ、行き交う船も間近に見えます。日南海岸独特の波状岩(鬼の洗濯岩)が真下に広がり、殊のほか素晴らしい眺めです。
ご夫妻に記念として、それぞれ垂木にサインをしてもらいました(下)。
私の確認ミスで、玄関小屋根の桁の出が1800oしかなく、500o足りません。そこで、上の桁を両方とも短くカットし、予備ログを下の桁の上に載せ、上下ログを三個所ボルトで緊結しました。
棟木用材が余りましたので、玄関トラスの横木と柱に加工して取り付けてもらい、予定より立派なトラスになりました(上)。
ログの凹に挟み込んで窓を固定するTボードが屋内に準備され、現地調達の浴室出窓も届いています(下)。
屋根形状に関係する垂木の出長は、全て現場で施主が決めます。その長さに垂木がカットされて、鼻隠し材の下地材がその先端に付きました(上左)。
ログの上に立つ柱は、ログ上部を平らにカットしてコーキングして載せています。高さ調節 の数字が残っています。両側の電気穴やダボ穴は、屋根が出来上がるまでの間、浸水を防ぐ為にガムテープが張られています(上右)。
南側一階のひさしには、垂木固定の為に様々な工夫がされ、挟む上下の材をログに固定する為に長いコーチボルトも使われています(左)。
妻壁から東西に出っ張る屋根の垂木には、カネ勾配にシェットドーマー四寸勾配も混ざります。特に海側の垂木固定には多くの金物が使われました(上)。
屋根の下地となる野地板(構造用合板)が、下から順に張られています(左)。
強固に造られたひさしの上に屋根足場用の柱が立ち並びます(左)。
角度のきつい屋根に野地板はなんとか張れますが、屋根足場が無いとこれからの作業は出来ません(右)。
屋根を支える小屋組み。
柱と横架材で組まれたものが棟木と母屋を支え、それらは妻壁二面、間仕切り壁二面となります。
柱と横架材、棟木・母屋と柱は、全て特注のU形金物で緊結されていきます。
三種類の幅と長さの異なるU形金物は合計35個、それに長尺の短冊金物も加わり、ボルトナットでしっかりと固定されています。
東南の角にはストーブが設置されます。その上の屋根に煙導囲の設置が始まりました(上)。
北側ではピークドーマー(三角出窓)の屋根造作が始まり、棟木が仮り置きされています(下)。
東側の窓開口部から見える景色は、額縁の中の絵のようです。
浴室の窓と勝手口のドア(上左)、テラスにつながるリビングのフレンチドアが設置される場所(上右)。
全ての窓が出番を待っています(左)。

建築実績〜完成作品〜へ戻る



▼木幡さんちCONTENTS
四方 排水路 配置決め 地質調査
11月7日
屋根組みと金物取付
倉庫基礎造り 倉庫設置 草刈り 戸窓の設置と屋根
地鎮祭  いよいよスタート 外部内部の造作
フィンランドでの加工風景 最終段階の造作
基礎工事まで ようやく完成
コンテナ到着  荷下ろし 完成後の生活
ログ組み建て 完成後の変化
小屋組み・棟上げと垂木架け