初秋の好天に恵まれて、ログの組み建ては順調に進んでいます。
二日間でログ壁を組み上げ、さらに二日間で、屋根を支える骨格「小屋組」を建ち上げ、棟上げ・餅撒きの予定です。
ログの欠品はなかったようで一安心。
棟木や母屋の下にも二階の戸や窓が有りますので、柱二本の上に横架材を渡し、その上に棟木・母屋を支える柱を立てます。
妻壁二面と間仕切り壁二面の骨組となる、これら棟木・母屋を支える数多くの柱と横架材の寸法が、フィンランドのメーカー・設計事務所・弊社で少しずつ違っています。
こういう場合、現場責任者が腹をくくるしか有りません。

台風時にはログの間に水が入ることを想定して、ログ間断熱材は使いません。下のログのツノ二列には、コンブリバンドという防水シールを貼って、浸水を極力防ぐ手立てとしました。
ある程度の高さまでは、ログを組みながらツノ二列に貼れますが、上部のログまでくると、上のログの凹みに貼る方が早くきれいに出来ます。
大分から応援に駆け付けた叔母さんや施主ご夫妻も手際よくその作業を進められ、それぞれの持ち場での作業が順調に進捗するに従い、地上のログが目に見えて減っていきます。
戸や窓の上がつながり、さらに田の字の壁以外の東西3列南北1列の梁も加わり、長尺物のログが続きます(上)。
海側のテラスサイドに四本の角柱(下左)、玄関前に二本の丸柱(下右)が設置されています。
ジャッキ付きで、それぞれバルコニーと玄関小屋根を支えます。
二階は吹き抜け無しで、三部屋とロフトで四つの空間になります。一階もリビング・和室・玄関と階段・水回りの四ブロックですが、一階二階の間仕切り壁は同じ場所ではありません。
二階の間仕切り壁の中に屋根を支える柱がきますので、二階の間仕切り壁の下には全て梁が通り、重量を分散して一階の壁に伝えるように苦心してあります。 二日目、西の鰐塚山系に太陽が落ちる頃には、全てのログが組み上がりました。
三日目。爽やかな朝陽を浴びて、太平洋を前に、ログの壁が存在感を示しています(上左)。
棟木と母屋の採寸が始まり(上右)、横架材には柱を受けるほぞ穴が掘られています(下左)。
横架材を支える柱にはほぞが切り込まれ、それぞれの長さに切られようとしています(下右)。
柱の立つ位置のログ最頂部の高さは全て同じとは限りません。
全ての高さを確認してそれぞれの微妙な段差を柱の長さで調整しますので、図面サイズとは異なる柱も多数出てきます。
下で組まれた構造材がクレーンで吊り上げられ、ログに掘られたほぞ穴に差し込まれて立ち上がり、二方向から垂木で支えられます。そして、その上に母屋が架けられています。
今の処、ほぞ穴の堀り間違いが母屋にあった事を除いて、順調に進んでいるようです。
全ての柱は、垂直をしっかり確認しながら垂木で固定されます。
ここでいい加減に固定すると、屋根の重量を確実に柱が受けきれないばかりか、屋根や妻壁・間仕切り壁にも歪みが出てきます。
大型の母屋二本、シェットドーマーの屋根を支える母屋・桁の三本が上がりました。
四日目。
今日のスタートは棟木の取り付けから。
無事頂上にどっしりと座りました。
どうやら計算通りに、きっちりと全ての構造材が納まったようです。
幸運にも雨に降られることなく、ここまで辿り着きました。
屋根垂木が架かり始めました。四寸勾配の南側ドーマーとカネ勾配の北側とでは、カットされた頂頭部の高さが違いますので、ドーマーの側に枕材が設置されています(上左)。
下で片側を勾配に合わせてカットされた垂木が、一本ずつ架けられていきます(上右)。
両側に大きく張り出した屋根は、台風の時には相当大きな力を受けます。垂木を多めに架けるのは勿論、棟木と母屋二本にU形の特注金具を取付け、台風時には下から鉄棒で引っ張ることにしました(中左)。
垂木架けと同時に、四辺を取り囲むように、足場が組まれていきます。

木幡さんご夫妻が描かれた図面の通りに、その我が家が立体化しています。想い描かれた夢が建ち上がる姿を見つめられる、ご夫妻の心境や何如に?(下右)。
この後、夕暮れ迫る中、大急ぎで片付けをして、上棟の儀式、そして近くの集落の方々にもご参加頂いて、盛大な餅撒きが執り行われました。

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▼木幡さんちCONTENTS
四方 排水路 配置決め 地質調査 屋根組みと金物取付
倉庫基礎造り 倉庫設置 草刈り 戸窓の設置と屋根
地鎮祭  いよいよスタート 外部内部の造作
フィンランドでの加工風景 最終段階の造作
基礎工事まで ようやく完成
コンテナ到着  荷下ろし 完成後の生活
ログ組み建て 完成後の変化
10月28日
小屋組み・棟上げと垂木架け