長い建築期間には、暑さ寒さはもちろん、雨や風や台風にも悩まされます。
今回のように天候に恵まれる事はまれで、台風の心配も皆無でした。
それでも、複雑な屋根造作や台風対策の補強工事、細かな造作などで、普通の工期より二週間程度、多くの日数を掛けることになりました。
そして、12月22〜25日、完成見学会。
年末のお忙しい中、沢山の方々にご来場頂きました。感謝申し上げます。
工事終盤の様子を、どうぞご覧下さい。

進入道路の入口にあるガードレールや縁石、自転車・歩行者停めの柵など、移設が始まりました。
ちょっとした工事とはいえ国道ともなると、専門の業者に沢山の書類作成や工事を依頼しなければなりません。予定外の大きな出費になりました。
集成パイン材で出来た階段の組み立てが始まりました。
要所に立てた柱に、側板や踊り場の床平板をはめ込み、工場で組上がった踏板二組を、側板に掘られた溝にセットしていきます。
こちらの指定したサイズ通りで、問題なくピッタリ納まりました。
二階南西和室には、吊り収納の骨格が造作されています。
シェットドーマーの母屋(上)と大屋根の母屋(下)の両方に固定して間柱をおろし、後ろの間仕切り壁と一緒に重量を支えます(左)。
収納には枕棚(マクラダナ)と呼ばれる棚が造作されました(右)。
二階の間仕切り壁が進んでいます。
前もって間柱の間に電気配線はされていますが、この段階で、照明やスイッチの位置などが、施主立ち会いの元、最終的に決められていきます(上左)。
トイレは遮音シートで隙間無く囲みましたが、完璧に音や震動を止める事は出来ません。それでも二階のトイレの遮音には多くの配慮が必要です(上右)。
ロフトにはミニキッチンが予定されています。そのキッチンと和室の間にも壁が造作されています(下左)。
天井造作の中でも、大きなピークドーマーは一番手間が掛かりました。天井同士の接点が複雑な形になりますので、大工さんも一苦労しています(下右)。
西側の見晴らしと階段採光にも有用な大型フィックス窓。足元の悪いその周辺の壁も、大小の脚立を駆使しながら出来つつあります(上左)。
一階の間仕切り壁は、キッチンと浴室・洗面所の間から始まりました(上右)。
リビングから一段高くなった和室。その押入の間柱が、セトリング対策が施されて、立ち上がりました。(下左)。
背面に予定していた冷蔵庫の位置がキッチン横に変更となりました。確かにこの方が使いやすそうです。ジャッキ付きの柱を二本に増やし、壁をこしらえました(下右)。
防水対策を十分に施した煙導囲(エンドウガコイ)の中に、二重煙突を固定し(上左)、角トップをかぶせて外装板を張りました(上右)。
洋室の天井には二重煙突より一回り大きな穴が出来ています。それを隠すように角フラッシングが設置されました(下左)。
一階の熱を二階に伝える為、一階天井と二階洋室の間には、換気板が上下から挟み込まれています。この中を二重煙突が通ります(下右)。
キッチンの吊り収納は、セトリングの関係で後ろのログに固定出来ませんので、天井の根太に固定した箱に吊り下げます(上左)。キッチンの部材が搬入されて来ました(上右)。レンジの換気にはログ壁に穴を空けなければなりません。コア抜きという円筒カッターをドリルで回します(下左)。
畳屋さん独特の器械や計りが持ち込まれ、和室三部屋が計測されています。一階の和室には中央に囲炉裏が入りますので、少し厄介かも知れません(下右)。三ヶ所の引き戸は建具屋さんにお願いし、計測して材料の板を持って帰られました。一週間の内には畳も引き戸も出来上がって届きます。
屋根屋さんも滅多にする事が無いとの話でしたが、台風対策に念の為、屋根要所をぐるりと専用のビスで上から留め、コーキングしました(上)。
足場があたって南側ドーマーの雨樋は設置出来ていませんでしたので、足場撤去と同時進行で掛けてもらいました。
息の合ったテキパキとした作業で、丸二ヶ月覆っていた屋根足場が取り外されていきます (下)。
木幡さんご夫妻により、三種類のレンガが一つずつ耐熱モルタルで固定され、積み上げられています(上中)。
二日間掛けて炉台の背面が立ち上がりました(下右)。
ホンマ製作所SX-800。なかなか見栄えも良く、炉台にもぴったりと納まりました。これから早速、寒い毎日をほっかりと温めてくれると思います(下)。
九州電力により、国道をまたいで電線が架けられています(上)。
敷地には前もって、電柱とそれを引っ張る支柱が立てられています。これらに受益者負担が無いのは助かります。
この周辺はアンテナ受信が出来ない為、NHK共聴アンテナですが、40万円の工事見積りが届いてビックリしています。
足場が撤去されて、見違える姿で家が現れてきました(左)。
二階トイレの給排水は、真下にある押入の一角を使いました(左)。防音対策も十分に出来て、まったく気にならない程度に音が押さえられています。
階段の上部にも手摺りが付きました(右)。乳幼児でも通り抜けられない位の幅にしてあります。
L形の大型テラスを支えるのは独立基礎(左)。束を固定する羽子板状の金物が付いた束石を、図面通りにコンクリートで固めていきます。
バルコニーの造作も始まりました(右)。屋内から張り出した四列の二段ログは、ジャッキ付きの柱で支えられ、その上には棟木と同じ大型集成ログが渡されました。それに手摺り子の角材が取り付けられています。
荒打ちのままだった犬走りもきれいに塗られていきます(左)。家造りの中で左官仕事の比重は昔程ではありませんが、左官職人の腕の良し悪しはあちらこちらと明確に表れてきます。
犬走りを叩く雨は容易にログに跳ね掛かります。上にテラスの無い犬走りには、家の周りの化粧も兼ねて、色砕石を敷き詰めています。犬走り上の外側に5cm角の砕石止めを造作中(右)。
住宅横のガレージ基礎も同時にお願いしました。奥の海側に下り傾斜の為、二段に積んだブロックの中は、少し奥が高くなるように砕石を敷き固め(左)、水溜まりが出来ないようにコンクリートをうまく均していきます(右)。
合併浄化槽も同時に設置されています。公的補助金が出るからには、当然の事ながら設置基準も厳しく、時間を掛けて慎重に作業が進んでいきます(左)。最後に上部をコンクリートで固定して完成です(右)。
外部にはすべて防腐防蟻剤加圧注入材を使います。玄関ポーチ(左)とテラス(右)の骨格が組まれ、その上に床板が張られています。
手摺りを付けない事もありますが、今回は手摺りが付いて完成です。
家造りの中で、手抜きや意図的なミスは問題外として、様々な間違いやミスは決して珍しくありません。全面をブルーグレーに統一して注文した洗面台とサイドキャビネットですが、発送ミスで白い物が届きました。後日前面の板を取り替えればよい事ですので、笑って済ますことが出来ますが、時にはどうしたものかと、呆然とすることにも出くわします(左)。
どのような間違いやミスも全て施主に報告するようにしていますが、隠したり嘘を重ねるよりもはるかに楽ですし、何とか結果オーライになるものです。時には怪我の功名で、当初の計画より良くなる事もあります。
電気温水器が設置されています。防塩対策が十分では無いとの事でサビが心配です。純正のカバーも無いようなので、板で囲う予定です(右)。


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▼木幡さんちCONTENTS
四方 排水路 配置決め 地質調査 屋根組みと金物取付
倉庫基礎造り 倉庫設置 草刈り 戸窓の設置と屋根
地鎮祭  いよいよスタート 外部内部の造作
フィンランドでの加工風景
1月5日
最終段階の造作
基礎工事まで ようやく完成
コンテナ到着  荷下ろし 完成後の生活
ログ組み建て 完成後の変化
小屋組み・棟上げと垂木架け