宮崎県の中西部、綾町の高台で乗馬用厩舎が完成に近付き、並行してログハウスの管理棟も建築中です。
土地名義変更等の関係で、厩舎スタートが4ヶ月、ログハウスは5ヶ月遅れました。
両方の建物とも当初の予定図面を東西反転させ、二つの建物を左右逆に配置して建てています。
マシンカットの先進地フィンランドで加工されたラミネート角ログを組み建てます。
完成までの詳細をどうぞご覧下さい。
立派に出来上がった基礎の上に土台・大引・根太・火打ち土台を組み
構造用合板や養生板で仮舞台を作っていよいよログを組み上げていきます。
砕石を厚く締め固め、その上に厚みのある頑丈な布基礎が完成致しました(左)。
前もって棟梁が加工しておいた角材が組まれ、基礎の上には土台が載り、大引きは鋼製束が支えます。全て防腐防蟻剤加圧注入材の使用です(右)。
少しでも床下を高くし、ログ内壁も高くなるように、土台・大引の上に根太を載せ、土台の上にはアンカーボルトを挟んで両方から根太を打ちます。土台だけを締めるアンカーボルトも幾らか有りますが、長いナットを使って上にボルトを追加し、一段目のログと基礎をアンカーボルトで緊結していきます。
ログ壁の中を通して縦の電気配線は行われますが、全て基礎内で集約されます。その準備も着実に進んでいます。
一番最初に設置されるのは東西妻壁の半ログ。根太の上に水切金物が取り付けられ、長ナットの上に追加されたボルトはログの高さに合わせてカットされます。この後、防水テープが張られて一段目が載ります。
上のログに当たらないよう下のログは座掘りされて座金とナットが取り付けられます(左)。
一段目4本のログは、床下から土台を通して上げられた電気線を通し、基礎とアンカーボルトで緊結され、四辺や対角線の寸法を確認して間違いなく出来上がるまで、約半日を要します(右)。
ログには指定通りの場所に電気配線用の穴加工がされています。その穴に一段ずつ電線や管を通していきますので、間違いがないように慎重に準備が行われます。
玄関ドアなどのように一段目ログが不要な場所もありますが、一段目のログは一本物で設置して、後でカットします。
ログに書かれた番号を元に、ログを壁ごとに四方に振り分け、必要なログを探し易くしてあります(左)。二段目がスタートしました(右)。
現場打合せで配線箇所を追加しました。その場所は全て一段ずつ穴を空けながらの作業になります。
ログを傷付けないように予備ログをカットして打ち込み用の当て木を作り、最初は少しずつ慎重に組み込んでいきます。
まとめられたログ壁ごとにプラン図を置き、誰でも次のログを探せるようにしてあります(左)。
ログには電気穴以上に多くのダボ穴が空けてあります。二列に並んだダボ穴に交互に角材ダボを打ち込んで、上下のログを緊結していきます。ログ上部三列には防水テープが張られています(下右)。
南西の角が一番早く組み上がっています(左)。
多くの電気配線が集中する中央では、電気屋さん二人が二個の追加穴を空けながら、電気線の束を通しています(右)。
浴室窓の下端には、指定した高さの場所にチェーンソーで切り込みがはいっています(左)。
壁の約半分が組み上がり、四辺のログの山も幾らか小さくなってきました(右)。
プランニングの時に検討した電気配線も、設備機器や照明や家具配置の変更などもありますし、使い勝手や照明効果を検討し直すと変更が幾らか出てきます。追加穴を上下ずれなく空けていきます。
電気配線の多い列では、線がログ間に挟まれないよう一箇所ずつ確認しながら積み上げています。
電柱から西側妻壁の上に取り込んだ電線は、軒天井の中を通し、浴室西側壁から床下に下ろします。作業はその逆になりますが、後でも配線ができるようオレンジの管とメインの太い電気線が下から上へ一段ずつ通されていきます。
二段目から始めたこの日は、特別の問題も無くここまで進みました。
東面(上左)。北面(上右)。西面(下左)。南面(下右)。
ログ最上部に架けられた養生シートを外し、二日目の組み建てが始まりました。
クレーンの登場で長いログも簡単に上がり、脚立に乗って作業するようになった大工さん達も動きが少なくて済むようになっています。
この段階から、ログ上部三列の代わりにログ下部凹にシールを貼っています(左)。高い場所での作業になってきましたので、大きな角材を上げて足場を確保しています(右)。
棟木と三本の母屋はログ壁の中を貫通します。その部分のログには工場で切り込みの印がつけられていますので、貫通部分を落とします。
棟梁により棟木・母屋の加工が始まりました。
90×270×10800 のラミネート材は使う場所により長さを決めてカットされます。
窓両側の Tボード受け加工と同様に、棟木・母屋が貫通する両側のログにも凹加工があります。その部分に丁度納まるように両側に角材を取り付け、さらに下にダボ穴を空けて下ログに叩き込んだ残り半分のダボを入れ込み、ずれ防止としました。
全てのログが見事に組み上がりました。
ノッチ外部12ヶ所に通しボルトを入れています。この他に妻壁上部を緊結する為、東壁勝手口の上と西壁キッチン窓の上にも1本ずつ通しボルトを追加して入れました。
クレーンのあるうちに屋根垂木が全部上げられました。
間仕切りのログ壁は家中央の棟木より少し南側になります。そのログ最上部が屋根垂木の下線より高いのでカットの必要があります。
逆に棟木は少し低かったので板を追加し、屋根垂木が棟木・母屋・桁ログに真っ直ぐ載るようにしています。
北側半分の屋根垂木が仮固定され、野地板もクレーンで上げられ、今日の工事が終了しました。
最頂部の棟木上で両側の垂木を留めます。平金物で両側を緊結し、L金物で棟木に固定します(左)。
母屋上にはセトリングに対応出来るスライド金物が取り付けられています(右)。
ログ最頂部は切り込まれて垂木がしっかりと載りました(左)。
外部にでている棟木・母屋にも垂木が架けられました。グリーンのワイヤは予備の電気穴です(右)。
膨大な量の屋根金物の取り付けに丸一日要しました。
構造用合板の野地板の上に防水ルーフィングが取り付けられ、強風対策に板が仮り留めされています。
梅雨の晴れ間、天窓設置の準備が始まりました(左)。
屋根垂木の上部にもころび止めの角材が固定されています(右)。
床下の配線や配管も余裕を持って滞りなく進んでいます。
内部の棟木や中央部分上部の様子。図面で想像するのとはまた違った、奥行きのある立体的なうれしい空間になっています。
天窓の邪魔になる金物や垂木がカットされ、補強の為に四方に垂木が追加されて、天窓が設置されます。


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▼河野さんちCONTENTS
厩舎 地質調査 仮設配線 地鎮祭
6月30日
   〃    ログ組建 電気・屋根工事
  〃  地盤改良 基礎工事 足場架設 放牧場  丸太加工 柵造作
   〃  組み建て 屋根工事 外壁工事  厩舎   馬房開き戸 雨樋 ほぼ完成
   〃  天井内壁 電気配線 階段造作 管理棟  戸窓設置 天井・床 設備機器
   〃  収納・ロフト・馬房・開き戸の造作 完成
管理棟 フィンランド工場 コンテナ荷降ろし 完成後のご様子
   〃   地盤改良 基礎工事