浦川さんが描かれた間取り図を元に製図し、引き直す事わずか数回。
長いプランニング期間にほとんど固まっていた構想通りに図面は完成しそのままログの加工図面へと進んでいきました。
コンテナ一本に納める為、ほとんどの床下材(注入材)は現地調達とし、キットの到着前に施工をしてもらいました。
コンテナの中には、壁となるすべてのログ、間仕切り壁や天井板・床板、戸や窓が含まれています。
キット搬入の朝。
足場に囲まれた舞台の上には、開幕を待つ緞帳代わりのブルーシートが、主役の登場を待っています。
地球半周の長旅を終えた大型コンテナが、バックでゆっくりと建築場所に近づいてきました。
頑丈な封印を切るのは、施主浦川さんの大事なお役目。

棟梁と二人で扉を開けてもらうと、びっしりと詰まった数々の梱包。そして、北欧の大平原の森を彷彿とさせるヨーロッパパイン材の豊かな香りが漂ってきました。
手前には手で持ち運べるような小さな梱包も幾つか有りますが、ほとんどは重機の力無しでは全く動こうとしない重量物ばかりです。
扉の直ぐ前にユニック車、そしてその後ろに25tクレーン。ユニックで少し引っ張り出して、後はクレーンで吊り上げる作戦です。
まず最初に、手前の戸や窓が下ろされ、道路に仮り置きされました(左)。
鉄バンドやビニールに包まれた梱包の中には、荒波に揉まれたのか、荷が傾きかけたものもあります(右)。
少しずつスタッフの息も合うようになり、一つまた一つと様々な包みが出てきます。
敷地の南道路のすぐ先は大きな貯水池になっていて、自然一杯の場所です。
梱包の中身や使う順番を考えるのはコンテナが帰ってから。
とにかく後ろから順番に、二列4〜5段に押し込まれた梱包を、一つずつ引いては吊り上げ、置き易い場所にひとまず置きます。
心配そうに楽しそうに、荷下ろしを見つめるのは、施主浦川さん(左)と施工会社の在原部長(右)。
奥の方や下には、長物や重量のある梱包がまとまっています。ユニックとクレーンで同時に引いて、ようやく少しずつ動いてきました。
今回幸運だったのは、近隣の方々のご協力も頂いて、すぐ南側の道路がたっぷりと使えた事(左)。コンテナの帰った後には、おびただしい梱包の数。敷地の中にも重ね置きされています。
ここから梱包の移動が始まりました(左)。一番先に使うログの梱包をどこに置くか、施工中盤後半に使う物をどうするか・・。
戸や窓の梱包は西側の空き地にひとまず置かせてもらい(右)、ログが組み上がった段階で組建て用クレーンを使って再度移動する事になりました。
今回キットの中に入って来る注入材はテラス床板のみ。地元の注入材で床下の骨格が組まれ、捨て張り合板で舞台が出来ています(左)。
高床の大引を支えるのは鋼製束、その間には引っ張り用のズンギリ金物(右)。
キットの中に入って来た金物の数々。ログハウスにだけ使われる金物も少なくありません。
壁のセトリングに対応する為に、間仕切り壁や天井に使うスライド金物(左)。垂木二枚を棟木の上で緊結する長方形のプレートやジャッキも見えます(右)。

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▼浦川さんちCONTENTS
遣り方 基礎下地 基礎工事 床板天井 間仕切り壁
2月27日
コンテナ到着 荷下ろし ついに完成
ログ壁の組み建て 完成後半年のご様子
小屋組み 太陽光発電