国道のすぐ近くながら、木立に囲まれているせいか、浮き世と隔絶したような場所です。
ログハウス風の別荘を購入され、その近くに宿泊用ゲストハウスを、とのご希望。 セルフビルドのご参考に
小型ログ(12畳)の建築経過をご紹介致します。

神戸港から配送し、現場近くの空き地でユニック車に積み替え(左)、別荘の敷地内へ搬送しました(右)。
梱包は二つ。一つには数種類の板に戸・窓・屋根用シングル・金物など。もう一つは写真のようにログ。使う場所の数字が記入されたシールが、全てに張られています(左)。
前もって基礎工事が必要です。今回は、高さがしっかり計測されて、束石の載るベースだけが水平に造作されました。四隅の一つだけ束石が固定され、他の束石はまだ置いてあるだけです。一段目ログを束石の羽子板にビス留めし、組上がってから束石をベースに固定する算段です(右)。
クレオソートを塗られた一段目が仮置きされました(左)。束石の上にはルーフィングが敷かれ、一段目ログと水絶縁の役目を果たします(右)。
二段目まで仮組して、正確な長方形になっているか四隅の直角を慎重に確認しています(左)。それに合わせて束石も微妙に動かしていきます(右)。
長方形が確定してから、羽子板をログにビス留めして束石を固定します。
羽子板にはスクリューボルト用の穴も空いていますが、割れる心配もあってビス留めにしました。
傾斜地にベースが造作されている為、上の方は床下が地面とすれすれになってしまいます。山中の木陰という場所からしても、床下の湿気が気になります。地面を掘って床下の通気を良くしてもらいました(左)。
いよいよ組み建てが始まりました。ログが傷付かないように当て木をして重ねていきます(右)。
このタイプにはログの厚みが50mmと75mmの二種類あります。今回は50mmです。ログの交差部分には防水コーキング剤を充填します(左)。
順調に進んで窓の下のログまできました(右)。
上下や左右に反りのあるログも中にはあります。ログとログの隙間や重なりを良く見ていると分かりますので、見つけたら荷締めを使って矯正します。
短いログでは矯正が効かない場合もあります。ノミで重なり部分を削って微調整(左)。
施主をはじめお手伝いの友人知人、そして大工さんの息も合って、順調に一段一段と積み上げられていきます(右)。
大自然にぽっかりあいたような空間に、ヨーロッパパイン材の白い木肌が映えています。
宮崎市内とは思えないような別天地に、この別荘は建っています。国道との間に流れる小川には、人工の滝。
キットの中には25cmの釘が入っています。重なりの悪い反りのあるログを矯正してから、上下ログの緊結に使います(左)。
妻壁ログの両サイドにはログのノッチ(交差部分)が無い為押さえが有りません。そのかわりにビスで下のログに留めていきます(右)。
いよいよ、ドアと窓の上部ログにやってきました。長尺ログには反りのある場合も多く、これまで積み上げてきたログ壁も垂直とは限りません。慎重に上下を重ね合わせて、釘やビスで固定していきます。
屋根を支える母屋が掛かり始めました(左)。
四隅には通しボルトが通されて、壁を上下から緊結します(右)。
妻壁が立ち上がり、母屋も増えていきます(上)。
ログの反りと微妙な加工精度により、ノミで調整する場所も出てきます(下左)。妻壁のログは屋根傾斜に合わせて斜めにカットしてある為、先が欠け易くなっています(下右)。欠けた場合もビスでしっかりと下のログに固定します。
両側の桁(ケタ)と中央の棟木の間に、それぞれ二本の母屋(モヤ)。この七本で屋根を支えます。
屋根の先に破風(ハフ)板がへの字に張られ、その角から屋根天井が張られていきます。下から見える天井板と屋根下地の野地板兼用です。
束石に載って大引(オオビキ)が二列固定されました(上)。並列して両壁には根太(ネダ)受けが取り付けられ、直行して根太が掛かります(下)。
床板は根太に直行して根太に釘留めされます。
ログハウス調の別荘には大きな囲炉裏が中央にあって、まさに庵の趣(左)。周りには大小の池が配され、テラスサイドには樽を利用した水の階段。奥に見えるのは人造の滝(右)。
屋根にはルーフィングが張られて、窓も取り付けられました。完成間近です。
屋根仕上げ材のアスファルトシングルが張られ、手前ではテラスの造作が始まっています。
防水の為に破風の上に板金が設置され、赤い化粧が白く塗られた破風と良いコントラストを見せています。
これからお迎えする沢山のお客様に、どうぞ喜んで頂けますようにと願いつつ、終了致しました。